マドリードにある「プラド美術館」は世界三大美術館の1つとしても知られています。
1819年に設立されたスペインの王立美術館で、スペイン王朝の歴史の中でも、特に栄華を誇った時代の貴族たちの肖像画や、スペインを代表する画家のである、ベラスケス、エル・グレコ、ゴヤの作品も展示されていて、マドリードを訪れた際には必ず行きたい美術館です。
この記事ではプラド美術館の、概要や見どころ、チケットの予約方法について詳しく紹介していきます。
プラド美術館について
開園時間
月~土曜日 10:00~20:00
日曜日 10:00~19:00
1月1日、5月1日、12月24日 10:00~14:00
閉館30分前まで入館することが出来ます。閉館10分前には展示室から退出となります。
入園料
- 一般15ユーロ
- 一般料金+公式ガイドブック付き24ユーロ
休館日
1月1日、5月1日、12月25日
アクセス
アトーチャ駅から徒歩15分、又は地下鉄のエスタシオン・デル・アルテ駅から徒歩12分
プラド美術館の向かいにはティッセン・ボルネミッサ美術館、隣にはエリレティーロ公園もあります。
鑑賞をする時の注意事項
- 館内は撮影不可。
- 館内での飲食、喫煙、ペットの持ち込み、作品に触れることは禁止。
お得なチケット購入方法
プラド美術館の入場チケットは、
- 現地のチケット売り場
- 公式サイトでオンライン予約(英語又はスペイン語)
- 日本語の予約サイトなどで購入をする
のいずれかで購入可能です。
朝は特に列になるので、待ち時間をさけるためにも入場券はオンラインで購入するのがお薦めです。
共通券でお得に購入
パセオ・デル・アルデ・カードという、プラド美術館、ソフィア王妃芸術センター、ティッセン・ボルネミッサ美術館の入場券セットになった共通券は30.40ユーロで購入することが出来ます。
それぞれチケットを購入するとプラド美術館が大人15ユーロ、ソフィア王妃芸術センターが大人10ユーロ、ティッセン・ボルネミッサ美術館が13ユーロで合計38ユーロの為、7.6ユーロお得に購入することが出来ます。
入園無料の時間に行く
夕方の時間帯は入園無料です。
- 月~土曜日18時~20時は入園無料
- 日曜日・祝日 17時~19時は入園無料
入園無料の時間帯には多くの人が訪れ、入園するのに列になりますが、もう一度見たい作品があったり、近くに宿泊していたりする際は、夕方のお散歩のついでに行くのもお勧めです。
プラド美術館の見取り図
美術館は横に長く、中心の廊下の左右にさらに展示室があり半日では見切れません。カフェも併設されているので、休みながらゆっくりじっくり見るのがお薦めです。日本語の美術館ガイドがあるのもありがたい。
0階のフロアは入場をすると、まずセキュリティー検査があり、その奥に荷物を預けられるロッカーがあります。長時間絵画を見ていると肩が凝ってしますので、重い荷物などは預けてしまいましょう。0階には絵画以外にもミュージアムショップやミュージアムカフェが併設されています。
1階には「ベラスケス」から「エルグレコ」、そして「ゴヤ」までプラド美術館の見どころの絵画が特に集まっているフロアです。時間をかけてゆっくり見たいフロアです。
2階は有名作品が少ないフロアなので、興味がなければ飛ばしてしまっても良いかと思います。
館内の展示されている王室関連の作品について
プラド美術館は王立の美術館ということもあり、歴代のスペイン王朝の貴族たちの肖像画を多く有しています。
- イザベル王女
- マルガリータ王女
- フェリペ4世とその家族
- フェリペ5世とその家族
- カルロス2世とその家族
幼少期の頃の絵から成人になった後の姿など、彼らの成長の様子を見ることが出来ます。顔の特徴をつかんでくると、だんだんと作品名を見なくても、どのファミリーの絵なのかわかるようになってきます。
見どころの作家たち
ベラスケス
スペインバロック絵画の巨匠として知られるディエゴ・ベラスケス。スペインのセビージャ出身。幼少期から才能に恵まれていたベラスケスを両親がフランシスコ・パチェーコの元に修行へ出し、そこで、多くの知識を身につけました。
24歳の頃にフェリペ4世から肖像後を依頼されたのち、1623年国王フェリペ4世付の画家となり、以後生涯の大半を宮廷画家として過ごしました。
ラス・メニーナス(女官達)
ベラスケスの最も有名な作品である、マルガリータ王女と女官が描かれた「ラス・メニーナス(女官達)」は王室の日常を垣間見ることが出来る貴重な作品として知られています。こ
の作品にはベラスケス本人も登場しているので、どこにいるのか探しながら作品を見るのも面白いです。
他にもフェリペ4世の長男の「カルロス王子の騎馬像」など、歴史の教科書で聞いたことがある、かつて世界最強を誇ったスペイン王国の貴族たちの成長の様子を垣間見ることが出来ます。
ゴヤ
ゴヤはスペイン北東部のフェンデトードスで彫金師の息子として生ました。18歳でマドリードに出てきた後、1789年、43歳の時にカルロス4世の宮廷画家となり、肖像画を描くようになりました。
ゴヤは初期のころの画風と後期の画風が全く違うことでも知られてます。
46歳の時に重い病気にかかり、完全に耳が聞こえなくなってからは重苦しく、衝撃気的なものが多くなっています。
プラド美術館では後期の「1808年5月3日」「子どもをむさぼり食うサトゥルヌス」などを見ることが出来きます。
裸のマハと着衣のマハ
ゴヤの代表作である、「裸のマハ」と「着衣のマハ」。
同じ女性モデルが横になったいるがひとつが裸体でひとつが着衣である。これはゴヤの愛人であったアルバ公夫人をモデルにしていると言われています。
先に描かれたのは「裸のマハ」ですが、スペインで初めて、神話ではない本当の人間の女性の裸体を描いた絵画で、宗教裁判所の調査の対象にもなりました。
二枚存在するのは、所有主が気分によって絵を掛け替える為だったと、言われていますが真相は明らかになってません。
エルグレコ
岡山県の倉敷にある大原美術館に受胎告知があることで日本でも有名なエル・グレコ。エル・グレコとはギリシア人という意味で、もともとはギリシャの出身です。
エル・グレコは当初イタリアのローマに渡り、ミケランジェロの影響を受けます。伝統を重視するイタリアではエル・グレコの斬新さは受け入れられず、35歳でスペインに向かいます。
マドリードで宮廷画家を目指しますがかなえられず、ローマで知り合った大聖堂参事会長を頼ってトレドへ。トレドでは新しい美術に寛大で、エル・グレコの独創性はトレドで宗教関係者や知識人から受け入れられました。トレドではエルグレコ美術館もあります。
トレドの詳しい情報はこちらからご覧いただけます。
エルグレコの作品の特徴は赤・青・黄を使った色合いで、青色はキリストの母であるマリア、黄色は天使、 赤色はキリストに使われていると言われています。
聖三位一体
エル・グレコがトレドに到着して一番最初に注文を受けた祭壇画で、初期の頃の作品です。体つきがしっかりとしている絵画でミケランジェロの影響が見うけられます。
受胎告知
絵は上半分と下半分に分かれ、上は神の世界、下は人間が住む地上界で、縦に長いのが特徴です。
ヒエロムニス・ボス
オランダ出身の画家ですが、オーストリア、スペインなど幅広い地域で人気を呼び、作品が収集されています。ボスの生い立ちや画家になっていった過程についてはほとんどわかっていません。
ボスの絵画には、異様な怪物や動物、奇妙な植物と建物、想像力の限りを尽くして創り出された不可思議にして奇怪なモチーフが至る所に描かれています。
16世紀後半に、フィリップ2世がボスの絵画の購入しており、現在ではマドリードのプラド美術館に「魔術師の崇拝」「土の喜びの庭」「七つの大罪と四つの最後のもの」の卓上絵、「ヘイウェイン三部作」が所蔵されています。
快楽の園
ボスの作品の中でも最も有名なのがこの「快楽の園」。
左側が『エデンの園』で右側が『最後の審判』になっており、中央のメインパネルを囲むように配置されています。
左側のパネルでは、神はアダムとイヴが描かれており、動物たちが住む風景が描かれている。
中央のパネルには、無邪気で独りよがりな喜びに満ちた裸体と、幻想的な複合動物、不思議な形の石の造形などが描かれている。
右側のパネルは、人類が悪の誘惑に屈し、永遠の呪縛を受けている地獄の世界が描かれている。
じっくり見たかったのでポストカードをお土産に買いました。
ミュージアムショップとカフェ
ミュージアムショップとカフェともにプラド美術館が閉まる30分前まで空いています。
ミュージアムショップではプラド美術館ないにある絵画をモチーフにしたマグネット、栞、カレンダーを始め、絵画の解説本が日本語でも販売されています。
1日かけてゆっくりと美術館を周りたい時にはカフェで一休みするのがお薦めです。
美術館を訪れてみて
マドリードにあるもう一つの有名美術館の「レイナソフィア王妃芸術センター」の現代アートとは全く異なる、これぞ、ヨーロッパの美術館というキリスト教やスペイン王朝の絵画が揃っていて、歴史を知るのにも訪れて楽しい美術館でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
こちらの記事もお勧めです。
コメント
一生に一度はスペインに行ってみたいなと思います。
・・・って言うか、日本から出てみたいです。
今は余計に日本から出にくいですよね・・・。太陽いっぱいで気候もいいので、是非いつかスペインへ!!